年金を追納して保育料を安くした話
2020年12月時点では3歳以上のクラスの保育料は無償化されています。
しかし3歳未満児の保育料は依然としてかかります。
保育料は収入に応じて決められるので、どの家庭でも家計に占める割合は低くはないと思います。
学生時代に年金は払いましたか?
20歳を超えたら支払いの通知が来る国民年金。
将来もらえる額は今より少ないとか、破綻するとか色々言われていますが、
会社員になれば払わざるをえないので仕方がありません。
ただ、大学生の時は10年間の支払い猶予が認められています。
20歳の時点で働いている場合は猶予はありませんが、大学生だった方は選択肢があり、ここでの支払い方法は大きく分けて3つになるでしょう。
・一つめは自分でアルバイトで貯めたお金からしっかり払う人。
素晴らしいですね。
・二つめは親が代わりに払ってくれる人。
親の経済状況に比較的余裕があるとこういう方も多いかもしれません。
・三つめは学生時代は猶予して、10年社会人になってから払う、もしくは払わないか選択する人。
親が高所得者の場合は税率も高いので、親に払ってもらった方が、
家族全体ではメリットが大きいですね。
ただ、私は学生の期間は猶予して、社会人になって払ったのですが、
とてもメリットが大きかったのでそれをお伝えします。
年金を支払うことで保育料を抑える
結論から言いますと
「保育料の決定は住民税の金額に基づいておこなわれる」
この一点において猶予した年金を支払うことで、私の場合は経済的なメリットがありましたし、家庭の状況によって大きなメリットになるかと思います。
低所得ほど行政の支援は厚い
子供を保育園に入れて感じたのですが、
国、自治体からの支援は低所得ほど手厚くなります。
それは、保育料、こども手当等に如実に反映されます。
手厚い保護を受けたい場合は所得が低い方が有利な場合が多いですし、
それほど行政からの支援がない場合は、純粋に給料が高い方が良い場合もあります。
保育料の場合、前年の所得に対して決まる住民税(その中の市町村の所得割額)をベースに決定されます。
会社員は所得をコントロールする余地があまりない
しかし、経費をコントロール出来る自営業者に比べて、会社員には所得をコントロールする余地があまりありません。
使えるものは、生命保険料控除、医療費控除や、確定拠出年金による控除などの限られたものになりますし、
なかなか「今年は医療費を高くしよう」とコントロールするものでもありません。
年金の追納で所得を抑える
猶予された年金の支払いに関してはいつ支払うのかコントロールが可能です。
年間20万円程度の支払いを学生時代4年間猶予していた場合は、80万円程度の支払いが可能となります。
それに伴い、支払う所得税、住民税が安くなりますが、保育料の算定に使われる市町村税の所得割額にも影響してきます。
自治体によって、保育料の階層の分け方が異なるのですが、
例として令和2年度静岡市の保育料表を見てみます。
差が大きそうな部分で見てみると
住民税の所得割額が22万5300円の場合D9区分で、保育料は 月 3万9000円 です。
しかし、少しだけ所得が下がって、所得割額が22万5000円になったとすると
D8区分になり保育料は 月 3万2500円 となります。
月の差額としては 6500円 × 12か月で
年間の保育料としては 7万8000円 安くなります。
保育料の決定は、区分ごとに決められるので、異なる階層に入ると途端に高くなったり、安くなったりします。
階層を一つ落とすだけで良ければ、状況によっては年金の追納を10万円程度おこない、翌年もその程度の追納をしていくことで毎年保育料を抑えることも可能となります。
つまり現在のシステムでは、
年間の所得が1万円下がるだけで、保育料が10万円下がる
ような事態が発生しているということです。
また、追納で80万円支払った分は社会保険料控除となるので、
住民税10%、所得税10%の方であれば16万円程度、
収入の高い方であればそれ以上税金が安くなります。
現在の保育料
冒頭でも述べた通り、2020年12月時点では3歳以上のクラスの保育料は無償化されていますが、3歳未満児の保育料は依然としてかかります。
仮にこの部分が変更されても、他の部分において住民税が高い家庭に行政の支援が薄く、低い家庭に支援が厚いという構造は続くと思います。
その為、学生時代の年金を支払いを猶予し、必要な年に支払うという方法。
悪くはないと思います。
そもそも年金は支払うと損なのか
年金は払い損になるから支払いたくないという方もいるかもしれません。
現在の支給額は、10年以上支給を受ければ払い損にならないレベルなので、
65歳から受給するとして75歳。
将来的に受給年齢が70歳に引き上げられても、平均寿命を超えるくらいの方は
元が取れるレベルかもしれません。
得するか損するかは、自分の寿命と将来の支給状況という未確定なものなので自分で判断したものが、現段階での正解なのでしょう。
ただ忘れてはいけない点として、年金は徴収と支給において男女による金額の差はありません。
2019年日本人の平均寿命は 女性87.45歳、男性81.41歳
その差は6年間。
国民年金満額78万円の6年分は500万円近くになりますから、
女性の方が受け取る金額の期待値は高くなります。
まとめ
・子供を保育園に預ける未来があるのであれば、大学時代の年金は猶予した方が良い場合がある。
・猶予した年金を支払う場合は保育園に預ける前年に追納した方が良い。
・女性は男性に比べて寿命が長いので、年金保険料をしっかり支払った方が良い。
と言えるのではないでしょうか。
以上、保育園に預けて感じた、保育料の観点からの年金追納のメリットでした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。